2017年03月21日 14:13更新

標高330mに位置する上越市牧区の高尾地区。例年3mほど雪が積もる豪雪地帯。田畑が雪に埋まって農作業ができないため、中山間地では冬に収入を得ることが大きな課題となっている。

写真左 太田庄治さん

「稲作1本から抜け出し、冬にも農業ができないか・・・」
地元の有志が3年前「農事組合法人あかり」を設立した。現在5世帯10人で運営している。同法人では代表の太田庄治さんが、農作業を阻むやっかいものの雪を利用できないかと、2年前に雪室ニンジンを作ろうと決めた。雪を使った野菜作りの消費拡大に取り組むＪＡえちご上越の協力を得ながら二人三脚で進めている。



野菜は雪の中に保存すると、寒さから身を守ろうとして糖分を蓄えるため甘みが増す。太田さんは「この地域だからこそ雪室ニンジンができる。農業の機械化などで女性の働く場が減っているが、雪室ニンジンの栽培を通して、女性にもどんどん活躍していってもらいたい」と話している。



栽培されている雪室ニンジンは、1度ペースト状にして冷凍保存し、ＪＡえちご上越が運営する施設「あるるんの杜」で1年を通して、シュークリームやドレッシング、ジェラートなど様々な商品に加工して販売されている。



あるるんの杜の亦野潤一さんは「あかりの雪室ニンジンを使った商品はお客様の反応が非常に良い。真剣な農家が真剣に作った農産物は必ず分かってもらえる」と話している。

豪雪地帯という特性を生かした雪室ニンジン。試行錯誤を続けながら地区に活気をもたらすための挑戦は続いている。