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「スイッチバック」の二本木駅 まちづくりとコミュニティの拠点に

2019年06月09日 10:56更新

県内唯一の鉄道施設スイッチバックがある、えちごトキめき鉄道・二本木駅の運営を今年4月、上越市中郷区のNPO法人が請け負った。NPOでは、待合室を喫茶スペースにして鉄道ファンをもてなすなど、駅を生かしたまちづくりに張り切っている。

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上越市中郷区にある二本木駅は今から108年前、明治44年に開業した。いわゆるスイッチバックのある駅として知られている。

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二本木駅(現在)

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二本木駅(駅舎が完成した明治43年)

スイッチバックは、当時の蒸気機関車が力不足で隣の関山駅までの急勾配を上れなかったため、平らな場所にある二本木駅でいったん後ろ向きに折り返したあと、再加速し、勢いをつけて坂をのぼる仕組み。

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スイッチバックが残るのは県内では二本木駅だけで、全国から鉄道ファンなどが撮影に訪れる。

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写真提供:中郷商工会

神奈川から撮影に5回ほど訪れたという人は「神奈川では箱根登山鉄道のスイッチバックが有名だが、二本木駅のように大きくはない」と、二本木駅の魅力を話した。

駅はこれまで第3セクターのえちごトキめき鉄道が管理してきたが、4月、地元のNPO法人「中郷区まちづくり振興会」に駅舎の運営を委託した。振興会の理事長、岡田龍一さんは「中郷には観光の目玉が少ない。スイッチバックは大切な資源」と話す。

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振興会は5年前からスイッチバックを生かしたまちづくりに取り組んできた。

これは待合室に作った喫茶ルーム。駅を訪ねる鉄道ファンをもてなそうと、振興会がオープンした。振興会のメンバー4人が交代で飲み物を提供したり、地元産の野菜を販売している。

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そして時にはこんなことも…。

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ホームに入ってきたのはリゾート列車「雪月花」だ。地元の野菜、加工品などを販売し、乗客をもてなした。この日はアスパラがあっという間に完売。アスパラの生産者は「二本木駅は遠い存在だったが、雪月花が来ることで身近な存在になった。今後もイベントなどを通してにぎわいを作りたい」と駅への思い入れを語った。

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こうした取り組みが評価され、今年4月、振興会は駅舎の運営を任された。えちごトキめき鉄道の沿線では初めてだ。

えちごトキめき鉄道の取締役、石黒孝良さんは「二本木駅の利用客が減少し、会社の収支状況をかんがみると、なんとかしなければいけない。3年前に雪月花を運行したとき、地元の人がもてなしてくれた。その熱意は素晴らしく、一緒に運営できると思った」と話す。

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振興会では4月からこれまで以上に張り切っている。喫茶ルームの営業はこれまでの月2回から毎日に。もちろん、駅の清掃やホームの点検などもこなす。

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ホーム待合室の戸締りを確認

こうした中、うれしい出来事があった。駅舎を含む7つの建造物が、国の有形文化財に登録される見通しになった。どれも明治末期から昭和に造られたもので、雪国ならではの特徴を備えている。

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これはポイントを切替える施設が雪に埋まらないようにするスノーシェッドだ。

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スノーシェッド(写真提供:上越市教育委員会)

理事長の岡田さんは「明治から令和まで5つの世代を越えたもの見に来る人が多い。5月に10連休があり、かなりのお客さんが来た」と、文化財の話題が追い風になっている。

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振興会では駅を鉄道ファンだけでなく、地元の人が集う場所にもしたいと考えている。

「奥に和室があり、コミュニティスペースとして開放している。お茶を飲まなくても気軽に楽しめる場所にしたい」と理事長の岡田さん。今後もさまざまな取り組みで、駅を活用していく。


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