2022年12月11日 16:00更新

新製品を開発することで、廃業の危機から一転、G20サミットの晩餐会に製品が採用されるまでに復興した宮城県石巻市のお茶販売会社を招いたビジネスセミナーが8日（木）にJCVで開かれました。

このビジネスセミナーはJCVと東経連ビジネスセンターが開きました。講師を務めたのは、宮城県石巻市にあるお茶の製造販売会社「ファーム・ソレイユ東北」の企画･開発室長、日野朱夏さんです。

日野さんは家業のお茶販売業が東日本大震災で被災し、廃業の危機にあったことからビジネスを盛り立てようと家に戻り、新製品の開発に取り組みました。試行錯誤の末、生まれたのが和紅茶「kitaha（きたは）」です。これは本来、煎茶に使われていた地元特産の「桃生茶」を和紅茶に仕立てたものです。

「kitaha」は「新東北みやげコンテスト」で最優秀賞を受賞するなど評判を呼び、3年前には大阪で開催されたG20サミットの晩さん会で採用されました。サミットでお茶の監修にあたったソムリエの田崎真也さんは「kitaha」を「味、香り、色で選んだ」と評価したということです。

あさひ園は新しい工場を建設して、来年からは販路の全国展開を計画するなど、廃業の危機から一転、第2創業に成功しました。

日野さんは事業を進めるなかで大切にしている「思い」があります。
kitaha企画・開発室 日野朱夏 室長
「自分たちだけが良くなろうとはしない。私たちが良くなれば地域が良くなり笑顔の人が増える。そのため農商工連携や農福連携を行っている。県内の事業者や障がい者就労施設との連携で今後も良い物を作っていきたい。どんなに小さな店でも全国的な店でなくても見ていてくれる人はいる。努力は必ず報われると伝えたい」

この講演会の模様は来年2月にJCVスペシャルで放送する予定です。