2020年10月25日 08:01更新
上越市安塚区出身で新潟市で活動するデザイナーが、ふるさとの農産物や植物を使ったお茶やスイーツを開発した。
「里山ボタニカル」は、新潟市のデザイン会社「U・STYLE」が立ち上げた。商品は3種類。
このうちチーズケーキは、米麹をベースに安塚のクルミの他、市内の干し柿、サルナシなどをトッピングしている。麹の原料は、「U・STYLE」のスタッフが安塚区で栽培した無農薬米。
オイルハーバリウムは安塚に自生する植物を着色せず、自然そのものの形や色合いを生かしている。
ボタニカル茶は柿の葉、山椒の葉など手摘みした野草を組み合わせている。
「U・STYLE」の代表、松浦和美さんは安塚区大原の出身。「里山ボタニカル」を立ち上げたのは、少子高齢化が進むふるさとの風土を次の世代に伝えたいという思いからだ。松浦さんは「人口減少など、大人たちが工夫している様子を子どものころから見てきた。そのことが大人になっても心の中にあった。デザインという切り口で地域の魅力を掘り起こし、伝えられるのでは」と考えた。
松浦さんは安塚区の実家を拠点に週に1回、新潟市から通って、コメを作ったり木の実などを集めてきた。この日も、自宅の裏庭などでハーバリウムに使う素材を集めた。
松浦さんはサンショウを集め「ツヤがあり美しい黒」と絶賛
里山ボタニカルには、地域の住民も関わり始めた。松浦さんは、商品の材料にする野菜の作り方を教わっている。
この日はアサツキを植えた。土の上に稲わらをかぶせることで霜よけになり、根が腐りにくくなることを教わった。地元の住民は「(里山ボタニカルの)ケーキやお茶をもらい、おいしかった。地元にこういう人がいてうれしい」と話した。
里山ボタニカルの商品は、新潟市や長岡市の自然食品を扱う店やスーパーなど6店舗で販売されている。オンラインストアも立ち上げた。また今月初めには、新潟市のホテルで展示販売会を開き、好評だったという。松浦さんは「今は商品を通して安塚・里山の魅力を知ってもらいたい。今後は、安塚に行ってみたい、 訪れてもらう、地域の人たちと交流してもらえるよう、(商品を)作りたい」と意欲を見せている。
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