2020年02月12日 16:30更新
自分の髪を医療用ウイッグに役立ててほしいと、上越教育大学附属小学校4年生の 羽尾光博さんが11日、3年間伸ばした髪を切り、関係団体に寄付した。
この活動はヘアドネーションと呼ばれるもの。髪は医療用ウイッグに加工され、病気や事故で髪を失った子どもに無償で提供される。
光博さんが髪を寄付しようと思ったきっかけは、歯科医で父親の博嗣さんの影響。博嗣さんは、フィリピンの貧困地区で子どもたちの歯の治療にあたるなど、8年前から国際的なボランティア活動に取り組んでいる。フィリピンから戻った父から現地での話しを聞くたび、光博さんは「僕たちは本当に幸せだから今できることをやりたい」そう思うようになった。
フィリピンで医療ボランティアをおこなう父・博嗣さん
父の姿に刺激され、髪を伸ばし始めたのは2017年4月。しかし男の子が髪を伸ばすことで、光博さんには辛い経験が待っていた。友達からは「女の子みたい」とからかわれ、温浴施設やトイレでは変な目で見られる上、「女の子は入っちゃだめだよ」と注意されたりもした。もう切りたい!と泣き叫んだこともあったという。そんな時、くじけそうな光博さんに対して父・博嗣さんは「出来る人が出来ない人のために何かをするのが人間」、そう励ました。それから3年、髪の長さが寄付できる基準の31cmを超え、11日、断髪式をむかえた。
髪を伸ばし始めた頃の光博君
寄付の基準となる31cmを超えた
祖母の賀津子さん、母・明美さん、そして父・博嗣さんが順番にハサミを入れた。
祖母・賀津子さん
母・明美さん
博嗣さんは髪を切りながら「みっちゃんのやさしさを感じる。よく頑張ったね、みっちゃん」と笑顔いっぱいに息子を称えた。
博嗣さんによると、子ども用のウイッグはなかなか髪が集まらない現状があり、高校生からの協力はあるものの、小学生による寄付は珍しいという。「伝えることもボランティア。小児がんで髪の毛が抜け、ウイッグが必要なのに本当に必要なお子さんの髪の毛が集まらない。息子の思いが広がり、ボランティアの輪が広がると本当にうれしい」と話す。
自分の髪を持ち、「いろんな思い出が詰まった重みを感じる」と光博さん。「髪と一緒に届けたいのは、大切に使って欲しいということと、早く治って欲しいという想い。将来の夢は歯医者だが、歯医者以外にも人の役に立てることがしたい」と、笑顔が弾けた。
光博さんの髪は、NPO法人Japan HairDonatin&Charityを通じて医療用ウイッグに加工され、髪を失った子どもたちに無償で提供される。光博さんの髪をカットした美容室TAKITAによると、ヘアドネーションのカットは年間10人程あるが、光博さんのような小学生男子は初めてだという。
※ご覧の記事の内容は2020年2月12日(水)JCVニュースLiNKで放送予定(TV111ch)初回18:30
※プレミアム会員 見逃し視聴(配信期間 2月12日 19:00~2月18日 19:00まで)
Copyright (C) 2016-2023 上越妙高タウン情報 All rights reserved.