2021年12月19日 10:00更新

JCVの生活情報番組「すまいるone」。12月12日～12月18日の放送は「1年の〆は蕎麦！～前編～」です。寒い日にぴったりの体の温まるお蕎麦や、年越し蕎麦の情報をたっぷりご紹介します。

※番組は上越妙高タウン情報のプレミアム会員でご視聴いただけます。

上越市牧区にある茅葺屋根が印象的な「そば処 木草庵」。北陸新幹線上越妙高駅から車で25分くらいの所にあります。

趣のある落ち着いた建物は、昭和50年に同じ地区にあった庄屋の家を移築したもので、昭和53年にふるさと村としてオープンしました。店内は広々とした畳の広間にテーブル席と座敷席があり、古民家ならではの落ち着いた雰囲気です。

実はこのお店、元々は地元のお母さんたちが切り盛りしていました。それが、様々な縁が重なって現在の店主、上原正彦さんが引き次ぐことに……。

店主 上原正彦さん
「蕎麦屋ですけど、実は昔は蕎麦は好きじゃなかった。うどん派だったけど、縁あってこの道に…。だんだん作っているうちに、自分でもこだわりを持つようになって、当初は昔からの製法で作っていたんですが、少しずつ自己流に変えて今のそばになりました」

そんな上原さんが打つそばは、この地方でよく作られていた自然薯をつなぎに使ったそばです。

自然薯が入ることで、のどごしがよく栄養価も高まります。さらにコクを出すために卵も入れています。

肝心の「そば」は、店主が自ら栽培した上越ならではの品種「とよむすめ」を使っています。これを3回にわたって、手作業で丁寧にひいています。

店主
「1度目は表面の皮をむき。2度目は薄皮を一緒にひく、そうするとそばの味が深くなるんですね。薄皮をさらに引いて香りをよくするために3度ひく。1回だと荒すぎるんです」

店主
「お蕎麦は、常にお湯の中で泳いでいないといけない。沈んでしまうとボヤっとした蕎麦になってします」

そばは1分程茹でたら、素早く3回水でしめます。

店主
「暖かい時間が長いと、麺も伸びてしまうので、一気に冷やすことが大事。一度目で粗熱をとり、二度目で表面のぬめりを落とし、三度目でさらにしっかりぬめりをとる」

この手間こそが、のど越しの良いすっきりとした味わいのに仕上げるための秘訣だということです。

今の時期、おすすめは温かい「かけそば」です。 　

かけそば 600円（税込）

冷水でしっかりとしめたそばを湯にくぐらせ、出汁、醤油、みりんなどを加えたシンプルなつゆをかければ完成です。

そばは細めで、のどごしがよく、食べ応えがあります。自然薯を入れることで、質感がしっかりするそうです。つゆは子どもでも食べやすいように、甘めに仕上げています。

次に、風味を楽しむなら冷たいそばが一番ということで「ざるそば」を紹介します。

店主
「暖かいそばは、出汁の香りで蕎麦の風味がそぎ落とされてしまうため、本来の香りと味を楽しむのなら、断然冷たい蕎麦がおすすめです」

手打ち天ざるそば　1200円（税込）

冷たい蕎麦で頂くと、特有の甘さや香りが立ちます。暖かい蕎麦とはちがって、よりのどごしを感じることができます。つゆは鰹、にぼし、昆布など7種類から出汁をとっています。 天ぷらは季節ごとに食材が変わります。旬の山菜や野菜など、その時期の食材が楽しめます。

そして草木庵といえば、そば湯にもこだわりが。そばの風味が濃縮されたトロットロの蕎麦湯が特徴です。

店主
「ほかの店で出してるそば湯と違ってトロトロです。そば湯は前日に茹でたそば湯の下の濃い部分だけを使っています」

そばの風味が凝縮され、濃厚でトロトロのそば湯。つゆとの相性はよく、しめにぴったりです。ぜひお試しください。

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木草庵は12月31日の昼まで営業しています。そばの持ち帰り販売も行うそうですが、数に限りがありますので、ご注意ください。

店主
「この辺では自然薯をつなぎに使ったお蕎麦はないと思います。これからまた寒に入りますとお蕎麦も甘味を増してきて、とても美味しいお蕎麦になると思います。道路事情もあるかと思いますがこの辺は除雪もされているので、冬でもぜひ足を運んでいただければと思います」

店舗情報

そば処 木草庵
■住所：上越市牧区池舟2番地
■営業時間：11:00～14:00（LO13:30）
■定休日：火･水曜日（祝日は営業）